里見重之と改めた。
これはわしの母方の親戚に実在した人物で、家柄は仲々よかったのだが、非常な貧乏で、親族つき合いも出来ぬ所から、わしの子供の時分奮発をして単身南米に渡り、それ切り音信が絶えて、彼の地で死亡したと信じられている人だが、それは実は死んだのではなくて、莫大な財産を作り上げ、故郷へ帰って来たという筋書である。
里見重之には兄弟もなく、その家は跡が絶えて、位牌などもわしの家の仏壇に飾ってあった程だから、生きていて帰って来たといっても、誰一人怪しむものはない訳だ。
里見重之と改めた。
これはわしの母方の親戚に実在した人物で、家柄は仲々よかったのだが、非常な貧乏で、親族つき合いも出来ぬ所から、わしの子供の時分奮発をして単身南米に渡り、それ切り音信が絶えて、彼の地で死亡したと信じられている人だが、それは実は死んだのではなくて、莫大な財産を作り上げ、故郷へ帰って来たという筋書である。
里見重之には兄弟もなく、その家は跡が絶えて、位牌などもわしの家の仏壇に飾ってあった程だから、生きていて帰って来たといっても、誰一人怪しむものはない訳だ。