別に厳重な塀がある訳ではなく、押せば開く枝折戸をあけて、不思議なお豊は、雑草の茂るに任せた別荘の庭へと這入って行く。
わしはそれを見届けて置いて、ソッと廻り道をして、庭に連なる森林の、とある大樹の蔭に身を隠し、じっと婆やの様子を見守っていた。
深い森蔭は昼間も薄暗く、どこかで鳴き始めた蝉の声の外には、物音一つせぬ淋しさ。
別に厳重な塀がある訳ではなく、押せば開く枝折戸をあけて、不思議なお豊は、雑草の茂るに任せた別荘の庭へと這入って行く。
わしはそれを見届けて置いて、ソッと廻り道をして、庭に連なる森林の、とある大樹の蔭に身を隠し、じっと婆やの様子を見守っていた。
深い森蔭は昼間も薄暗く、どこかで鳴き始めた蝉の声の外には、物音一つせぬ淋しさ。