これらの現象は凡て正体の曖昧な、極微有機物の作用であって、死後強直というえたいの知れぬ現象すらも、腐敗の前兆をなす所の、一種の糜爛であった。
柾木は嘗つて、何かの書物で、この極微有機物には、空気にて棲息するもの、空気なくとも棲息するもの、及両棲的なるものの三類があることを読んだ。
それが一体何物であるか、何処からやって来るかは、非常に曖昧であったけれど、兎に角、目に見えぬ黴菌の如きものが、恐ろしい速度で、秒一秒と死体を蝕みつつあることは確かだった。
これらの現象は凡て正体の曖昧な、極微有機物の作用であって、死後強直というえたいの知れぬ現象すらも、腐敗の前兆をなす所の、一種の糜爛であった。
柾木は嘗つて、何かの書物で、この極微有機物には、空気にて棲息するもの、空気なくとも棲息するもの、及両棲的なるものの三類があることを読んだ。
それが一体何物であるか、何処からやって来るかは、非常に曖昧であったけれど、兎に角、目に見えぬ黴菌の如きものが、恐ろしい速度で、秒一秒と死体を蝕みつつあることは確かだった。