ギャッと叫んで逃げ出す程、ひどくなっているのではないかと、柾木は息も止まる気持で、階段を上ったが、案外にも、芙蓉の姿は、却って、朝見た時よりも美しくさえ感じられた。
触って見れば強直状態であることが分ったけれど、見た所では、少しむくんだ青白い肉体が艶々しくて、海底に住んでいる、ある血の冷い美しい動物みたいな感じがした。
そして、(以下三行削除)朝までは、眉が奇怪にしかめられ、顔全体が苦悶の表情を示していたのに、その表情は(二十一字削除)今彼女は、聖母の様にきよらかな表情となって、彼がふさいでやった唇の隅が、少しほころび、白い歯でニッコリと笑っていた。