その間死体に別段の変化が現われなかったばかりでなく、不思議なお化粧の為とは云え、彼女の肉体が前例なき程妖艶に見えたというのは、例えば消える前の蝋燭が、一時異様に明るく照り輝く様なものであった。
いまわしき蟲共は、表面平穏を装いながら、その実死体の内部に於て、幾億の極微なる吻を揃え、ムチムチと、五臓を蝕み尽しているのであった。
ある日、長い眠りから目覚めた柾木は、芙蓉の死体に非常な変化が起っているのを見て、余りの恐ろしさに、あやうく叫び出す所であった。
その間死体に別段の変化が現われなかったばかりでなく、不思議なお化粧の為とは云え、彼女の肉体が前例なき程妖艶に見えたというのは、例えば消える前の蝋燭が、一時異様に明るく照り輝く様なものであった。
いまわしき蟲共は、表面平穏を装いながら、その実死体の内部に於て、幾億の極微なる吻を揃え、ムチムチと、五臓を蝕み尽しているのであった。
ある日、長い眠りから目覚めた柾木は、芙蓉の死体に非常な変化が起っているのを見て、余りの恐ろしさに、あやうく叫び出す所であった。