身体がゴム鞠の様にふくれた為に、お化粧の胡粉が相馬焼みたいに、無数の○○○○○○○○、網目の間から、褐色の肌が気味悪く覗いていた。
顔も巨大な赤ん坊の様にあどけなくふくれ上って、空ろな目から、半開の唇から、(十九字削除)柾木は嘗つてこの死体膨脹の現象について記載されたものを読んだことがあった。
目に見えぬ極微な有機物は、群をなして腸腺を貫き、之を破壊して血管と腹膜に侵入し、そこに瓦斯を発生して、組織を液体化する醗酵素を分泌するのだが、この発生瓦斯の膨脹力は驚くべきものであって、死体の外貌を巨人と変えるばかりでなく、横隔膜を第三肋骨の辺まで押上げる力を持っている。