もともと、私の娯楽雑誌に書く大人ものは、筋も子どもっぽいし、文章もやさしいものが多かったから、少年倶楽部の編集者が、この人はきっと子どもものに向くだろうと狙いをつけたのかもしれない。
前々から依頼は受けていたけれど、それほど熱烈な依頼でもなかったので、私も本気になれないでいたのだが、このころになって、私の方でも、どうせ大人の雑誌に子どもっぽいものを書いているんだから、少年雑誌に書いたって同じことじゃないかという気になったのであろう。
今では当時の心境をハッキリ思い出せないが、そういうことと、一方では新稿依頼の雑誌社数が昔よりは少なくなっていたところへ、少年倶楽部が強く依頼してくれたのがきっかけとなったものであろう。