そういう際ではあったけれど、婚家との約束を破るのもはばかられたし、いやな手紙の舞いこむ自宅を、しばらく離れてみるのも好ましく思われたので、岩瀬氏は意を決して旅に出ることにした。
そのかわりには、用意周到にも、万々一のことがあってはと、かつて店の盗難事件を依頼してその手並みのほどを知っている、私立探偵の明智小五郎に、令嬢の保護をたのむことにした。
探偵はあまり乗り気でもなかったけれど、岩瀬氏のたっての頼みをいなみかねて、彼らの滞在中、隣室に泊りこんで、この奇妙な盗難予防の任務につくことになった。
そういう際ではあったけれど、婚家との約束を破るのもはばかられたし、いやな手紙の舞いこむ自宅を、しばらく離れてみるのも好ましく思われたので、岩瀬氏は意を決して旅に出ることにした。
そのかわりには、用意周到にも、万々一のことがあってはと、かつて店の盗難事件を依頼してその手並みのほどを知っている、私立探偵の明智小五郎に、令嬢の保護をたのむことにした。
探偵はあまり乗り気でもなかったけれど、岩瀬氏のたっての頼みをいなみかねて、彼らの滞在中、隣室に泊りこんで、この奇妙な盗難予防の任務につくことになった。