明智が隣室へ立ち去ると、岩瀬氏はドアに鍵をかけておいて、しばらく手紙を書いていたが、やがていつもの通り引出しのカルモチンを取り出し、卓上の水瓶の水でそれをのんで、寝室へはいってきた。
「早苗、どうだい、気分は」
そう言いながら、彼は隅のベッドの方へ廻って来そうにするので、早苗になりすました夫人は、毛布を顎までかぶって、顔を電燈の蔭にそむけて、うしろ向きのまま、さも不機嫌らしく答えた。
明智が隣室へ立ち去ると、岩瀬氏はドアに鍵をかけておいて、しばらく手紙を書いていたが、やがていつもの通り引出しのカルモチンを取り出し、卓上の水瓶の水でそれをのんで、寝室へはいってきた。
「早苗、どうだい、気分は」
そう言いながら、彼は隅のベッドの方へ廻って来そうにするので、早苗になりすました夫人は、毛布を顎までかぶって、顔を電燈の蔭にそむけて、うしろ向きのまま、さも不機嫌らしく答えた。