そうして寒風に吹きさらされながら、しばらく待っていると、やがて次のエレベーターが到着して、ガラガラと鉄の扉のひらく音とともに、一人の奥様らしいよそおいの、金縁の目がねをかけた和服の婦人が、展望台に現われ、ニコニコ笑いながら、岩瀬氏の方へ近づいて来た。
今時分、このさびしい塔上へ、こんなしとやかな婦人が、たった一人でのぼってくるなんて、なんとなくそぐわぬ感じであった。
「物ずきな奥さんもあるものだ」
そうして寒風に吹きさらされながら、しばらく待っていると、やがて次のエレベーターが到着して、ガラガラと鉄の扉のひらく音とともに、一人の奥様らしいよそおいの、金縁の目がねをかけた和服の婦人が、展望台に現われ、ニコニコ笑いながら、岩瀬氏の方へ近づいて来た。
今時分、このさびしい塔上へ、こんなしとやかな婦人が、たった一人でのぼってくるなんて、なんとなくそぐわぬ感じであった。
「物ずきな奥さんもあるものだ」