江戸川乱歩 『黒蜥蜴』 彼女はまっ青になって、歯を喰いしばって、今にも逃げ出したい衝動をじっとおさえていた。 だが、そうしてじっとしているうちに、椅子の中から伝わってくる鼓動は、刻一刻その振幅を増して行くように思われた。 彼女にはもう、波の音も機関の響きも聞こえなかった。 江戸川乱歩の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア