江戸川乱歩 『黒蜥蜴』 黒衣婦人は、寒い夜の風の中に、ほとんど三十分ほどのあいだも、身動きさえしないで立ちつくしていた。 それから、やっと船室へ降りてきた時、そこの明かるい電燈に照らし出された彼女の顔は、恐ろしく青ざめていた。 頬には涙のあとがまざまざと残っていた。 江戸川乱歩の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア