行ってみると、いかにも狐にでもつままれたような、へんてこな事が起こっていた。
仁王立ちの黒人青年が、ルンペンみたいなカーキ服を着て、その胸に例の大宝石「エジプトの星」を、まるで功一級の勲章のように得意然と光らかせているかと思うと、膝の上に頬杖をついた金髪娘が、日本娘の袂の長い着物を着て、両の手首と足首とに、ダイヤの胸飾り、真珠の首飾りを、手かせ足かせの形ではめてすましている。
寝そべった日本娘は、胴中に古毛布を巻きつけて、ふさふさとした黒髪の上から、さまざまの宝石を瓔珞みたいに下げて、ニヤニヤ笑っているかと思うと、円盤投げの日本青年はまっ黒によごれたメリヤスのシャツを着て、これも宝石の首飾り、腕環をはめて、光りかがやいているといったあんばいなのだ。