ただ違うところは、民族学はこれを客観的に観察研究する純科学であるのに対し、神秘学はこれらを以て研究する一種宗教類似の(わるくいえば迷信の)学問だという点にある。
また民族学は現存原始種族を最も重要なる研究対象とするが、神秘学はそういうものにはほとんど無関心で、古代には宗教や科学として重視せられたが、近代に至って、宗教、科学の中から排除せられたような非合法的信仰ないし学問の(それにはそれまでまた進歩もあり発見もあった)の集積である。
奇術(手品)は現在では、一つの舞台芸術となっているが、その起源は民族学の呪術や神秘学の魔術と別のものではない。