クイーンの解説文に曰く『この本の主人公探偵 Beverley Gretton については如何なる探偵小説史、探偵小説論の脚注にすらも、未だかつて一度もしるされたことはないが、(中略)この本の冒頭に収められた短篇 The Clue of the Finger-Prints は、指紋による犯人の個人鑑別を描いた最も早い作品の一つである。
普通、指紋小説としてはフリーマンの「赤い拇指紋」(改造社「世界大衆文学全集」第六十巻「ソーンダイク博士」に邦訳)が最初のものとされているが、キャデットのこの作品は、それよりも七年先んじている。
もっともこのほかに、もっと早く、探偵小説愛好家がウッカリ見逃がしている作品がある。