しかもこれは明瞭に探偵小説の形を備えているのだから、探偵小説史はマーク・トウェーンのこの作品を忘れてはならないと思う。
ところが、東京で出版された「幻燈」は、この「抜けウイルソン」よりもまた二年早いのであるが、それと並んで、指紋学そのものも、その最初の主張が、日本在住の英人によってなされたことは面白い因縁である。
先の表にしるした通り、指紋を個人鑑別に使用することを世界で一ばん早く唱えたのは、当時、東京の築地病院に在勤した英人フォールズ博士であるが、古畑博士は前記「指紋学」の中で、この人のことを次のようにしるしておられる。