16 スリルの説
私が探偵小説におぼれはじめたころの気持を振り返ってみると、理智文学としての、謎々としての、手品文学としての魅力にひきつけられたのはもちろんであったが、そういう論理的な魅力に並行して、ある場合にはそういうものよりも一そう深く、探偵小説ないし犯罪文学に含まれているスリルの魅力に心酔していたことがわかるのである。
これは私一人のことではないと思う。
16 スリルの説
私が探偵小説におぼれはじめたころの気持を振り返ってみると、理智文学としての、謎々としての、手品文学としての魅力にひきつけられたのはもちろんであったが、そういう論理的な魅力に並行して、ある場合にはそういうものよりも一そう深く、探偵小説ないし犯罪文学に含まれているスリルの魅力に心酔していたことがわかるのである。
これは私一人のことではないと思う。