ただ一例をいえば、彼の作品中最大の人気者である「スペックルド、バンド」(この作はオブザアヴア誌の人気投票などでも第一位を得ている)から深夜の密室に悪魔を待伏せする恐怖、異様の口笛、まだらの蛇などのスリルをのぞいて、いったい何が残るのであるか。
ドイルでいけなければ、ヴァン・ダインとエラリイ・クイーンを持ってきてもよい。
「グリーン・マアダー・ケース」では一軒の屋敷の中で次々と人が殺されていく恐怖、深夜邸内をさまよう老婆の恐怖、真犯人が可憐の娘さんであったというスリル、それから自動車おいかけのスリルまでも取り入れられている。