私は古い仏像が見たくなって、上野の帝室博物館の、薄暗くガランとした部屋部屋を、足音を忍ばせて歩き廻っていた。
部屋が広くて人気がないので、一寸した物音が怖い様な反響を起すので、足音ばかりではなく、咳ばらいさえ憚かられる様な気持だった。
博物館というものが、どうしてこうも不人気であるかと疑われる程そこには人の影がなかった。
私は古い仏像が見たくなって、上野の帝室博物館の、薄暗くガランとした部屋部屋を、足音を忍ばせて歩き廻っていた。
部屋が広くて人気がないので、一寸した物音が怖い様な反響を起すので、足音ばかりではなく、咳ばらいさえ憚かられる様な気持だった。
博物館というものが、どうしてこうも不人気であるかと疑われる程そこには人の影がなかった。