小山田家は商家と商家の間を奥深く入った所にある、一寸昔の寮といった感じの古めかしい建物であった。
正面から見たのでは分らぬけれど、多分裏を大川が流れているのではないかと思われた。
だが、寮の見立てにふさわしくないのは、新しく建増したと見える、邸を取囲んだ甚だしく野暮なコンクリート塀と(その塀の上部には盗賊よけのガラスの破片さえ植えつけてあった)母屋の裏の方にそびえている二階建の西洋館であった。
小山田家は商家と商家の間を奥深く入った所にある、一寸昔の寮といった感じの古めかしい建物であった。
正面から見たのでは分らぬけれど、多分裏を大川が流れているのではないかと思われた。
だが、寮の見立てにふさわしくないのは、新しく建増したと見える、邸を取囲んだ甚だしく野暮なコンクリート塀と(その塀の上部には盗賊よけのガラスの破片さえ植えつけてあった)母屋の裏の方にそびえている二階建の西洋館であった。