それは兎も角、私は何か大江春泥を証拠立てる様なものが残されていないかと、手提電燈の光を近づけて、梁や天井板の上を調べ廻ったが、手型も足跡も、皆曖昧で、無論指紋などは識別されなかった。
春泥は定めし「屋根裏の遊戯」をそのままに、足袋や手袋の用意を忘れなかったのであろう。
ただ一つ、丁度静子の居間の上の、梁から天井をつるした支え木の根元の、一寸目につかぬ場所に、小さな鼠色の丸いものが落ちていた。
それは兎も角、私は何か大江春泥を証拠立てる様なものが残されていないかと、手提電燈の光を近づけて、梁や天井板の上を調べ廻ったが、手型も足跡も、皆曖昧で、無論指紋などは識別されなかった。
春泥は定めし「屋根裏の遊戯」をそのままに、足袋や手袋の用意を忘れなかったのであろう。
ただ一つ、丁度静子の居間の上の、梁から天井をつるした支え木の根元の、一寸目につかぬ場所に、小さな鼠色の丸いものが落ちていた。