切符切りのお爺さんは、最初は、船頭か何かのいたずらだと思ったが、(そういう水の中の出歯亀事件は、時たま無いでもなかったので)兎に角便所へ入って検べて見ると、やっぱり、穴の下一尺ばかりの間近に、ポッカリと人の顔が浮いていて、水の動揺につれて、顔が半分隠れるかと思うと、又ヌッと現われる。
まるでゼンマイ仕掛けの玩具の様で、凄いったらなかったと、あとになって爺さんが話した。
それが人の死骸だと分ると、爺さんは俄かに慌て出して、大声で発着所にいた若い者を呼んだ。
切符切りのお爺さんは、最初は、船頭か何かのいたずらだと思ったが、(そういう水の中の出歯亀事件は、時たま無いでもなかったので)兎に角便所へ入って検べて見ると、やっぱり、穴の下一尺ばかりの間近に、ポッカリと人の顔が浮いていて、水の動揺につれて、顔が半分隠れるかと思うと、又ヌッと現われる。
まるでゼンマイ仕掛けの玩具の様で、凄いったらなかったと、あとになって爺さんが話した。
それが人の死骸だと分ると、爺さんは俄かに慌て出して、大声で発着所にいた若い者を呼んだ。