私はそこで、静子や会社の人から、右に述べた死体発見の顛末を聞かされたのであるが、私は春泥を軽蔑して、二三日前静子が警察に届けようといったのをとめたばかりに、この様な不祥事を惹起したかと思うと、恥と後悔とで、座にもいたたまれぬ思いがした。
私は下手人は大江春泥の外にはないと思った。
春泥はきっと、六郎氏が小梅の碁友達の家を辞して、帰途吾妻橋を通りかかった折、彼を汽船発着所の暗がりへ連れ込み、そこで兇行を演じ、死体を河中へ投棄したものに相違ない。
私はそこで、静子や会社の人から、右に述べた死体発見の顛末を聞かされたのであるが、私は春泥を軽蔑して、二三日前静子が警察に届けようといったのをとめたばかりに、この様な不祥事を惹起したかと思うと、恥と後悔とで、座にもいたたまれぬ思いがした。
私は下手人は大江春泥の外にはないと思った。
春泥はきっと、六郎氏が小梅の碁友達の家を辞して、帰途吾妻橋を通りかかった折、彼を汽船発着所の暗がりへ連れ込み、そこで兇行を演じ、死体を河中へ投棄したものに相違ない。