私は夫人が怪しまれるのも構わず、殆ど半日がかりで、書棚という書棚、抽斗という抽斗を調べ廻ったことですが、間もなく私は、数ある本棚の中に、たった一つ丈け、さも厳重に鍵のかかっている箇所のあるのを発見しました。
鍵を尋ねますと、それは六郎氏が生前時計の鎖につけて、始終持歩いていたこと、変死の日にも兵児帯に巻きつけて家を出たままだということが分りました。
仕方がないので、私は夫人を説いて、やっとその本棚の戸を破壊する許しを得ました。
私は夫人が怪しまれるのも構わず、殆ど半日がかりで、書棚という書棚、抽斗という抽斗を調べ廻ったことですが、間もなく私は、数ある本棚の中に、たった一つ丈け、さも厳重に鍵のかかっている箇所のあるのを発見しました。
鍵を尋ねますと、それは六郎氏が生前時計の鎖につけて、始終持歩いていたこと、変死の日にも兵児帯に巻きつけて家を出たままだということが分りました。
仕方がないので、私は夫人を説いて、やっとその本棚の戸を破壊する許しを得ました。