第一は六郎氏と静子夫人との結婚の年の日記帳で、婚礼の三日前の日記の欄外に、赤インキで、次の様な注意すべき文句が記入してあったのです。
「(前略)余は平田一郎なる青年と静子との関係を知れり。
されど、静子は中途その青年を嫌い始め、彼が如何なる手段を講ずるも其意に応ぜず、遂には、父の破産を好機として彼の前より姿を隠せる由なり。
第一は六郎氏と静子夫人との結婚の年の日記帳で、婚礼の三日前の日記の欄外に、赤インキで、次の様な注意すべき文句が記入してあったのです。
「(前略)余は平田一郎なる青年と静子との関係を知れり。
されど、静子は中途その青年を嫌い始め、彼が如何なる手段を講ずるも其意に応ぜず、遂には、父の破産を好機として彼の前より姿を隠せる由なり。