かくして彼は、人の名を騙って脅迫状を認め、それを自分の妻に送るという犯罪めいた興味と、妻がそれを読んで震え戦く様を天井裏から胸を轟かせながら隙見するという悪魔の喜びとを、合せ得ることが出来たのです。
しかも、彼はその間々には、やはりかの鞭の打擲を続けていたと信ずべき理由があります。
何故と云って、静子の項の傷は、六郎氏の死後になって、やっとその痕が見えなくなったのですから。
かくして彼は、人の名を騙って脅迫状を認め、それを自分の妻に送るという犯罪めいた興味と、妻がそれを読んで震え戦く様を天井裏から胸を轟かせながら隙見するという悪魔の喜びとを、合せ得ることが出来たのです。
しかも、彼はその間々には、やはりかの鞭の打擲を続けていたと信ずべき理由があります。
何故と云って、静子の項の傷は、六郎氏の死後になって、やっとその痕が見えなくなったのですから。