私は私で、意見書を彼女が認めてくれたのが嬉しく、勧められるままに、思わず酒を過した。
酒に弱い私は、じき真赤になって、すると私はいつも却って憂欝になってしまうのだが、余り口も利かず、静子の顔ばかり眺めていた。
静子は可なり面やつれをしていたけれど、その青白さは彼女の生地であったし、身体全体にしなしなした弾力があって、芯に陰火の燃えている様な、あの不思議な魅力は、少しも失せていなかったばかりか、其頃はもう毛織物の時候で、古風なフランネルを着ている彼女の身体の線が、今までになくなまめかしくさえ見えたのである。