彼が若し健全な身体の持主だったら、それ程もがけば、長持のどこかへ、一ヶ所位の隙間を作るのは、訳のないことであったかも知れぬけれど、弱り切った心臓と、痩せ細った手足では、到底その様な力をふるうことは出来ない上に、空気の欠乏による、息苦しさは、刻々と迫って来る。
疲労と、恐怖の為に、喉は呼吸をするのも痛い程、カサカサに乾いて来る。
彼のその時の気持を、何と形容すればよいのであろうか。
彼が若し健全な身体の持主だったら、それ程もがけば、長持のどこかへ、一ヶ所位の隙間を作るのは、訳のないことであったかも知れぬけれど、弱り切った心臓と、痩せ細った手足では、到底その様な力をふるうことは出来ない上に、空気の欠乏による、息苦しさは、刻々と迫って来る。
疲労と、恐怖の為に、喉は呼吸をするのも痛い程、カサカサに乾いて来る。
彼のその時の気持を、何と形容すればよいのであろうか。