ただそれが誤用されて、不必要な有産階級に行われ、無産社会には、そんな運動の起っているのを知らぬ者が多い、現にこの近所には貧民窟の様な長屋があるのだが、そこではどの家も必要以上に子福者ばかりだ、という様なことを大いに論じたものである。
それを論じながら、計らずも私の頭に浮んで来たのは、私の家のすぐ裏に住んでいる老郵便配達夫一家であった。
そこの主人はこの町の三等郵便局に十何年勤続して、月給僅に五拾円、盆暮れの手当てが各々二拾円に充たないという身の上であった。
ただそれが誤用されて、不必要な有産階級に行われ、無産社会には、そんな運動の起っているのを知らぬ者が多い、現にこの近所には貧民窟の様な長屋があるのだが、そこではどの家も必要以上に子福者ばかりだ、という様なことを大いに論じたものである。
それを論じながら、計らずも私の頭に浮んで来たのは、私の家のすぐ裏に住んでいる老郵便配達夫一家であった。
そこの主人はこの町の三等郵便局に十何年勤続して、月給僅に五拾円、盆暮れの手当てが各々二拾円に充たないという身の上であった。