縁側に出て見れば、土蔵の窓から、ぼんやりとあかりがついているのでございます。
何となく凄い様な、いうにいわれない感じに打たれることが屡々なのでございます。
土蔵だけは、お嫁入りの当時、一巡中を見せて貰いましたのと時候の変り目に一二度入ったばかりで、たとえ、そこへ門野がとじ籠っていましても、まさか、蔵の中に私をうとうとしくする原因がひそんでいようとも考えられませんので、別段、あとをつけて見たこともなく、従って蔵の二階だけが、これまで、私の監視を脱れていたのでございますが、それをすら、今は疑いの目を以て見なければならなくなったのでございます。