ある時はマッチを用意して行きまして、夫が立去るのを見すまし、ソッと蔵の二階へ上って、マッチの光でその辺を探し廻ったこともありましたが、どこへ隠れる暇もないのに、女の姿はもう影もささぬのでございます。
またある時は、夫の隙を窺って、昼間、蔵の中へ忍び込み、隅から隅を覗き廻って、もしや抜け道でもありはしないか、又ひょっとして、窓の金網でも破れてはしないかと、様々に検べて見たのですけれど、蔵の中には、鼠一匹逃げ出す隙間も見当たらぬのでございました。
何という不思議でございましょう。
ある時はマッチを用意して行きまして、夫が立去るのを見すまし、ソッと蔵の二階へ上って、マッチの光でその辺を探し廻ったこともありましたが、どこへ隠れる暇もないのに、女の姿はもう影もささぬのでございます。
またある時は、夫の隙を窺って、昼間、蔵の中へ忍び込み、隅から隅を覗き廻って、もしや抜け道でもありはしないか、又ひょっとして、窓の金網でも破れてはしないかと、様々に検べて見たのですけれど、蔵の中には、鼠一匹逃げ出す隙間も見当たらぬのでございました。
何という不思議でございましょう。