それは先にちょっと書いた往来の塀の外から屋根が見えているというこの家の土蔵なのだ。
土蔵が女中の盲点に入っていたのは併し無理はなかった。
少くとも女中の知っている限りでは、土蔵の扉は時候の変り目の外は殆ど開かれたことがなく、戸前にはいつも開かずの部屋の様に重々しい錠前が掛っていたのだから。
それは先にちょっと書いた往来の塀の外から屋根が見えているというこの家の土蔵なのだ。
土蔵が女中の盲点に入っていたのは併し無理はなかった。
少くとも女中の知っている限りでは、土蔵の扉は時候の変り目の外は殆ど開かれたことがなく、戸前にはいつも開かずの部屋の様に重々しい錠前が掛っていたのだから。