手提電燈の丸い光の中に、海坊主みたいな格好をして、躄乞食は元の場所にいた。
蚊を防ぐ為に頭から汚い風呂敷の様なものを被って、やっぱり躄車の中にじっとしていたのだ。
一人の刑事が、いきなりその風呂敷を取りのけると、片輪者は雛鶏の様に歯のない口を黒く大きく開いて、「イヤー」と、怪鳥の悲鳴を上げ、逃げ出す力はないので、片っ方丈けの細い腕を、顔の前で左右に振り動かして、敵を防ぐ仕草をした。
手提電燈の丸い光の中に、海坊主みたいな格好をして、躄乞食は元の場所にいた。
蚊を防ぐ為に頭から汚い風呂敷の様なものを被って、やっぱり躄車の中にじっとしていたのだ。
一人の刑事が、いきなりその風呂敷を取りのけると、片輪者は雛鶏の様に歯のない口を黒く大きく開いて、「イヤー」と、怪鳥の悲鳴を上げ、逃げ出す力はないので、片っ方丈けの細い腕を、顔の前で左右に振り動かして、敵を防ぐ仕草をした。