僕は早速、熊浦氏の提案に賛成して、先ず僕自身のアリバイを説明した。
それに続いて、槌野君、園田氏、熊浦氏の順序で、九月二十三日の午後零時半から四時半頃までの行動を打開け合った。
先ず、僕自身は、先便にも書いた通り、姉崎家を訪問するまでは、午後からずっと、勤先の新聞社にいたのだし、槌野君は、朝から、二階借りをしている部屋に座りつづけて、一度も外出しなかったと云うし、園田文学士は大学の心理学実験室で、ある実験に没頭していたと云うし、熊浦氏もあの日は昼間一度も外出しなかった、それは婆やがよく知っている筈だとのことで、一応は皆アリバイが成立した。