彼方の丘の麓、森の蔭、此方の建物の窓、池のほとり、或は数人、十数人、毒茸の群がり生えた様に、赤、黄、青、色とりどりの楽隊さんが、ジンタジンタと、その音も懐しき廃頽の曲を、空にも響けと合奏しているのだ。
南京玉の道化衣裳を着た三人の客は、丘の上から遙かの地上へとうねっている線路の上を、舟の様な辷り台に乗って、ウォーター・シュートの速力で、アレヨアレヨと辷り始めた。
空中の舟は、降りしきる五色の雪の中を、鳴り響く楽の音に乗って、横転、逆転、木の葉返し、息も止まるばかり、走り、辷り、とんぼ返りを打って、突進した。