治良右衛門と鮎子とは、ゴンドラから半身をのり出して、残っていた紙テープを悉く地上に投げおろし、声を合せて万歳を叫びながら、思出深きジロ楽園の廃墟に永別を告げた。
軽気球はどこまでも昇天して行った。
幾つも幾つも白い綿雲をつき抜けて、一匹の小さな魚の様になって、房と下った五色のテープがその魚のひれの様に見えて、楽しげに、楽しげに、小さく、小さく、そして、いつしかほこりの様に幽かになって、果てしれぬ青空の底へと消えて行った。
治良右衛門と鮎子とは、ゴンドラから半身をのり出して、残っていた紙テープを悉く地上に投げおろし、声を合せて万歳を叫びながら、思出深きジロ楽園の廃墟に永別を告げた。
軽気球はどこまでも昇天して行った。
幾つも幾つも白い綿雲をつき抜けて、一匹の小さな魚の様になって、房と下った五色のテープがその魚のひれの様に見えて、楽しげに、楽しげに、小さく、小さく、そして、いつしかほこりの様に幽かになって、果てしれぬ青空の底へと消えて行った。