生々しい血潮は、胴衣から流れて白いシーツを紅に染め、まだ乾ききらず血の匂いを漂わしている。
私はこの意外な林の姿を見ると、もう何を考える力もなく、なかば放心の態で、ボンヤリ橘の動作を見まもっていた。
橘は暫く変り果てた林の死体をじっと見詰ていたが、やがて、余りにも不意の血腥い出来事の為めに碌々口も利けず、唯おろおろ顔の色を変えて震えているボーイに、兎も角急を警察へ知らせるように吩咐けて置いて、さて、寝台の傍を離れると、更めて部屋の内部を克明に見廻し初めた。
生々しい血潮は、胴衣から流れて白いシーツを紅に染め、まだ乾ききらず血の匂いを漂わしている。
私はこの意外な林の姿を見ると、もう何を考える力もなく、なかば放心の態で、ボンヤリ橘の動作を見まもっていた。
橘は暫く変り果てた林の死体をじっと見詰ていたが、やがて、余りにも不意の血腥い出来事の為めに碌々口も利けず、唯おろおろ顔の色を変えて震えているボーイに、兎も角急を警察へ知らせるように吩咐けて置いて、さて、寝台の傍を離れると、更めて部屋の内部を克明に見廻し初めた。