彼はそのことを寧ろ得意に感じていたと見えて、蠍が背中を曲げて敵に飛びかかろうとしている醜い姿を、彼自身の紋章として使用したのだ。
しかも、もっと不気味なことには、世人は蠍の紋章を見せつけられるばかりで、それを使用している極悪人の正体を全く掴み得ないことであった。
身も心もきっと蠍の様に醜怪な獰悪な奴に違いないとは想像しても、そいつの正体がまるで分らないものだから、目に見える蠍などよりは、幾層倍も気味悪く恐ろしく感じられた。
彼はそのことを寧ろ得意に感じていたと見えて、蠍が背中を曲げて敵に飛びかかろうとしている醜い姿を、彼自身の紋章として使用したのだ。
しかも、もっと不気味なことには、世人は蠍の紋章を見せつけられるばかりで、それを使用している極悪人の正体を全く掴み得ないことであった。
身も心もきっと蠍の様に醜怪な獰悪な奴に違いないとは想像しても、そいつの正体がまるで分らないものだから、目に見える蠍などよりは、幾層倍も気味悪く恐ろしく感じられた。