先ず目に入ったのは、裸蝋燭らしい赤茶けた光に、チロチロと照らされている正面の襖と、その表面一杯に映っている、巨人の様な人間の、鳥打帽子らしいものを冠って、眼鏡をかけている横顔であった。
それが焔のゆれるにつれて、伸びたり縮んだりしながら、異様に大きな唇を動かして、物を云っていた。
「サア、繩を解いてやったんだから、そうビクビクしていないで、もっと真中へ出て来るがいいじゃないか。
先ず目に入ったのは、裸蝋燭らしい赤茶けた光に、チロチロと照らされている正面の襖と、その表面一杯に映っている、巨人の様な人間の、鳥打帽子らしいものを冠って、眼鏡をかけている横顔であった。
それが焔のゆれるにつれて、伸びたり縮んだりしながら、異様に大きな唇を動かして、物を云っていた。
「サア、繩を解いてやったんだから、そうビクビクしていないで、もっと真中へ出て来るがいいじゃないか。