彼女は毎朝十時頃に起床する慣らわしであったが、その日は十一時を過ぎても、寝室のドアが閉まったまま、ヒッソリとしていたので、お弟子兼小間使の少女が、不審を起して、寝室へ入って見ると、ベッドはもぬけの殻であった。
ベッドの毛布は、ちゃんと裾の方に畳まれ、真白なシーツが露出していたが、その真中に一点赤いものが見えた。
おびえた少女は、一刹那それを血痕と思い誤ったが、気をおちつけてよく見ると、血ではなかったけれど、少女にとっては血よりももっと恐ろしい、ゾッとする様な一物が、そこにじっとしていた。
彼女は毎朝十時頃に起床する慣らわしであったが、その日は十一時を過ぎても、寝室のドアが閉まったまま、ヒッソリとしていたので、お弟子兼小間使の少女が、不審を起して、寝室へ入って見ると、ベッドはもぬけの殻であった。
ベッドの毛布は、ちゃんと裾の方に畳まれ、真白なシーツが露出していたが、その真中に一点赤いものが見えた。
おびえた少女は、一刹那それを血痕と思い誤ったが、気をおちつけてよく見ると、血ではなかったけれど、少女にとっては血よりももっと恐ろしい、ゾッとする様な一物が、そこにじっとしていた。