空地は家屋の正面と南側とを囲んで、百坪程もあったが、その大部分が、膝までもある雑草に埋まっていた。
詳しくは夜の明けるのを待って調べる外ないのだけれど、幸、本署からは暗中の捜索を予想して、光度の強い手提電燈を用意して来たので、それと三箇の懐中電燈によって、兎も角も一応、叢の中を歩き廻って見ることになった。
一同二組に分れて、叢の両方の端から始めたのだが、相川青年は司法主任の組に加わり、強力な手提電燈を振りかざす刑事のうしろから、まるで彼自身、日頃あこがれの探偵にでもなった気持で、猟奇心に燃えながら、ついて行った。