彼は何も見えない闇の中に、人間程の大きさの蠍を幻想した。
蜘蛛の様な八本の長い足を、互違いに動かして、巨大な鋏をいからせ、鋭い毒針の尻尾を醜く歪げて、隙もあらば一飛びに襲いかかろうと身構えながら、ゴソゴソと這い寄る、真黒な怪物を、幻想した。
その妖虫が、犬かなんぞの獣の様に、ハッハッと呼吸しているのだという、変てこな考えに、彼はワナワナと震え出す程の恐怖を感じた。
彼は何も見えない闇の中に、人間程の大きさの蠍を幻想した。
蜘蛛の様な八本の長い足を、互違いに動かして、巨大な鋏をいからせ、鋭い毒針の尻尾を醜く歪げて、隙もあらば一飛びに襲いかかろうと身構えながら、ゴソゴソと這い寄る、真黒な怪物を、幻想した。
その妖虫が、犬かなんぞの獣の様に、ハッハッと呼吸しているのだという、変てこな考えに、彼はワナワナと震え出す程の恐怖を感じた。