ジメジメした穴蔵の底が、まるで居間ででもある様に、異様に落ちつき払っていた。
「わしが外出から帰ると、助手のトムが、相川さんから電話があって、十時頃に息子さんの守という人が来られると云うので、例の妖虫事件だなと、わしは君に会うのを楽しみに思っていたのです。
そして、君を待受ける為に書斎へ入って見ると、部屋の隅に、もう一人のわしが、つまりわしに変装した奴が隠れていて、不意に陥穽の釦を押して、このわしを罠にかけたという次第じゃ。
ジメジメした穴蔵の底が、まるで居間ででもある様に、異様に落ちつき払っていた。
「わしが外出から帰ると、助手のトムが、相川さんから電話があって、十時頃に息子さんの守という人が来られると云うので、例の妖虫事件だなと、わしは君に会うのを楽しみに思っていたのです。
そして、君を待受ける為に書斎へ入って見ると、部屋の隅に、もう一人のわしが、つまりわしに変装した奴が隠れていて、不意に陥穽の釦を押して、このわしを罠にかけたという次第じゃ。