ゾッとした事には、目に見えぬ怪物は、その厳重な監視の中を潜って、まるで無人の境を行くが如く、座敷から座敷へと歩き廻っていたことが分って来た。
操一氏が居間に帰って見ると、机の上に投げ出してあった夕刊に、同じ赤い鉛筆でデカデカと大きな蠍が書きなぐってあった。
間もあらせず、女中部屋に、死にもの狂いの悲鳴が聞えたので、駈けつけると、その四畳半の入口の障子に、やっぱり醜い赤蠍の絵が張りつけてあった。
ゾッとした事には、目に見えぬ怪物は、その厳重な監視の中を潜って、まるで無人の境を行くが如く、座敷から座敷へと歩き廻っていたことが分って来た。
操一氏が居間に帰って見ると、机の上に投げ出してあった夕刊に、同じ赤い鉛筆でデカデカと大きな蠍が書きなぐってあった。
間もあらせず、女中部屋に、死にもの狂いの悲鳴が聞えたので、駈けつけると、その四畳半の入口の障子に、やっぱり醜い赤蠍の絵が張りつけてあった。