操一氏は、家に置くのも恐ろしいけれど、又外へ出すのも不気味だがと、暫く躊躇していたが、そういう事には慣れ切った老探偵が再三勧める上に、殿村夫人まで、今にも犯人が襲いかかって来る様に怖がって、探偵の説に賛成するものだから、遂に、三笠氏と一緒に操一氏自身が附添って、珠子を一時郊外の親戚へ預けることに決心した。
だが、読者諸君は、この三笠龍介と自称する男が、何者だかという事を、そして又、珠子連出しを勧める彼の底意が、どんな恐ろしいものだかを、とっくに気づいていられるに違いない。
アア、本物の三笠龍介は、何をしているのだ。