二十
この豆腐屋の隣に寄席が一軒あったのを、私は夢幻のようにまだ覚えている。
こんな場末に人寄場のあろうはずがないというのが、私の記憶に霞をかけるせいだろう、私はそれを思い出すたびに、奇異な感じに打たれながら、不思議そうな眼を見張って、遠い私の過去をふり返るのが常である。
二十
この豆腐屋の隣に寄席が一軒あったのを、私は夢幻のようにまだ覚えている。
こんな場末に人寄場のあろうはずがないというのが、私の記憶に霞をかけるせいだろう、私はそれを思い出すたびに、奇異な感じに打たれながら、不思議そうな眼を見張って、遠い私の過去をふり返るのが常である。