江戸川乱歩 『妖虫』 絶体絶命の苦悩を通り越して、珠子は気が遠くなって行く様に感じた。 そして、不思議なことには、毒虫の厚ぼったい鋏の圧力が、そのネットリとあぶらぎった感触が、烈しい動物の体臭が、寧ろ甘く好もしいものにさえ感じられた。 彼女は夢を見はじめたのだ。 江戸川乱歩の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア