やっとの思いで、彼が竹藪の下から這い出した時には、珠子は勿論、賊の姿も見えず、味方もどこへ行ったのか、三笠探偵の安否さえ分らぬままに、目を圧して迫って来るのは、ただ紅蓮の焔であった。
殺人鬼の執念を象徴するかの如き、数知れぬ大蛇の真赤な舌であった。
八裂き蝋人形
やっとの思いで、彼が竹藪の下から這い出した時には、珠子は勿論、賊の姿も見えず、味方もどこへ行ったのか、三笠探偵の安否さえ分らぬままに、目を圧して迫って来るのは、ただ紅蓮の焔であった。
殺人鬼の執念を象徴するかの如き、数知れぬ大蛇の真赤な舌であった。
八裂き蝋人形