第一の事件は、午後三時頃、大川の浜町河岸に近いある倉庫の岸に舫っていた伝馬船の船頭の女房が、舟の艫から紐つきバケツをおろして、河水を汲んでいると、そのバケツの中へ、肘の所から切断された、白っぽい人間の腕が入って来たのだ。
「ワア、大変だア」
という頓狂声に、亭主の船頭が近づいて見ると、バケツの中に浮いているのは、確かに人間の、しかも水々しい女の腕に相違ない。
第一の事件は、午後三時頃、大川の浜町河岸に近いある倉庫の岸に舫っていた伝馬船の船頭の女房が、舟の艫から紐つきバケツをおろして、河水を汲んでいると、そのバケツの中へ、肘の所から切断された、白っぽい人間の腕が入って来たのだ。
「ワア、大変だア」
という頓狂声に、亭主の船頭が近づいて見ると、バケツの中に浮いているのは、確かに人間の、しかも水々しい女の腕に相違ない。