初めの程は、道行く人も、邪魔っけな奴だと、よけて通るばかりで、さして怪しみもしなかったが、時がたつにつれて、彼の凝視のただならぬ熱心さに、ふと好奇心を起して立止る人があると、それからは、二人立ち、三人立ち、瞬くひまに、恐ろしい黒山の人だかりとなった。
その癖、その夥しい人立ちの中に、インバネスの男が見つめている品物を、ハッキリ知っている人は、一人もいなかった。
人々はこの古風な服装をした怪人物の、ただならぬ様子を、烈しい好奇心で、ただ眺めているに過ぎなかった。
初めの程は、道行く人も、邪魔っけな奴だと、よけて通るばかりで、さして怪しみもしなかったが、時がたつにつれて、彼の凝視のただならぬ熱心さに、ふと好奇心を起して立止る人があると、それからは、二人立ち、三人立ち、瞬くひまに、恐ろしい黒山の人だかりとなった。
その癖、その夥しい人立ちの中に、インバネスの男が見つめている品物を、ハッキリ知っている人は、一人もいなかった。
人々はこの古風な服装をした怪人物の、ただならぬ様子を、烈しい好奇心で、ただ眺めているに過ぎなかった。